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chokudaiのブログ

chokudai(高橋直大)のブログです

AtCoderはどうやって年商10億円を超えるのか?プログラミングコンテスト運営会社の野望

(16/02/01追記) タイトル釣りだって多くの人に言われたので、タイトルの「越えた」→「超える」に直しました。注釈芸と一貫性を持たせるとこういうタイトルが自然かなぁ、と思ってたので、タイトル釣りの自覚はあんまりなかったです>< ごめんなさい><

はじめに

この記事には、嘘が多く書かれています。タイトルも大嘘です。現状と展望を交えた記事が書きたかったんです。が、タイトルを除いて、明確に嘘である点には脚注をつけています。*1 嘘以外にも脚注がついてることもあります。もちろん、嘘だと思わずに本文で嘘を言っている可能性は0ではありません。

スマホは知りませんが、PCではマウスカーソルを合わせることにより脚注を見ることが可能です。脚注を見ながら記事を楽しんでください。

 

 

そもそもAtCoderって何?

AtCoderというのは、競技プログラミング*2の大会をWeb上で開催する会社です。受託開発などは一切せず、ひたすらコンテストの問題を作り続け、それをWeb上で提供することにより、利益を得ています。*3

どうしてそんな会社を始めたの?

会社をはじめた動機は簡単で、単に、競技プログラミングと言うものが僕にとって非常に面白いものであり、競技プログラミングを広めたい、競技プログラミングを気軽に楽しめる環境を作りたい、という理由です。*4

元々は競技プログラミングの場を作りたいだけだったのですが、後に競技プログラミングの有用性がかなり大きいことに気付き、それをベースに経営をしています。

どうやって儲けているの?

競技プログラミングをやっている人(以下、競技プログラマと呼ぶ)は非常にITエンジニアとして優秀であり、多くの企業がこぞって競技プログラマを集めようとしています。*5

この状況を利用して、

  • IT系人材の発掘、および育成
  • コンテスト開催による企業と人材のマッチング
  • コンテストを利用した採用試験
  • 社会人への研修

という4本の柱でそれぞれ独立した利益を得ることで、売上10億を達成しています。*6

IT系人材の発掘、および育成

みなさん、高校生くらいの男の子が、「プログラミングを勉強したい!」と言い始めたら、どうしますか?

安易にプログラマーへの道を薦めるのは、現状の社会では、あまり良い事であるとは正直僕は思えません。IT業界というのは一般に、「きつい」「帰れない」「給料が安い」の3Kと言われており、この業界を何も考えずに進めるのは、余程好きそうではない限り無責任です。

ですが、AtCoderを用いて勉強をするのであれば、僕は全力で、自信を持って、胸を張って、「プログラマになりなさい」と薦めます。何故か?AtCoderで学び、評価を得た学生が、3Kな職場に入ることは、ほぼないからです。 ここ脚注いらないです。ほんとです。今のところは。AtCoderに若いうちから参加し、合わなければ別の業界に行けば良い。*7

ということで、プログラマになりたい、と思った学生が、1からプログラミングを学び、アルゴリズムやデータ構造を学べるのが、AtCoderの教育システムです。*8

必要な知識を仕入れるために勉強をするパートと、コンテストに参加し自分の実力を確かめながら実装力を高めるパートの2つを組み合わせることで、圧倒的な成長をすることが出来ます。*9

 

コンテスト開催による企業と人材のマッチング

AtCoderは、有料職業紹介事業者ではありません。*10ですので、直接的な企業と人材のマッチングは行いません。

では、企業はどのようにして、競技プログラマにアピールするのか?コンテストを開くんです。

コンテストの開催には、1つのコンテストで150万程度かかります。予選決勝形式にすれば2倍。予選2回決勝1回にすれば3倍です。ですが、それだけコンテストにお金を使った企業は、それだけ競技プログラマに興味がある、ということを示しています。

競技プログラミングは、あらゆるIT業務において必要な技能ではありません。ですので、競技プログラマは、必要とされている企業に行くべきだし、競技プログラマの価値が解っている企業に行った方が、絶対に幸せになれる、というのが、僕の自論です。ですので、単に広告掲載をしてもらうわけではなく、コンテストを開催してもらい、競技プログラマにその企業自体がアピールしてもらう、という形で、競技プログラマと企業のマッチングを行っています。*11

 

 

実際、2015年に開催したdwangoプログラミングコンテストではコンテスト参加者から12人が内定承諾に繋がりました。

dwango.co.jp

他にも、2015年には、株式会社リクルートホールディングス、KLab株式会社などが毎年コンテストを開催しております。

これらの企業の特徴として、プログラマの待遇が非常に良い、ということが挙げられます。内情に関して詳しいわけではないですが、今のところ、競技プログラミング経由で就職し、退職したという話はまだ聞いていないため、おそらく幸せにしているんじゃないかなぁ、と思っています。

このように、AtCoderでコンテストを開いてくれた、コンテストに興味のある企業に競技プログラマが就職することにより、幸せになれる、というわけです。*12

コンテストを利用した採用試験

コンテストで競技プログラミングの実力が計れて、競技プログラミングが出来る学生を雇いたいのであれば、コンテストをそのまま採用試験にしてしまおう、という企画も行われています。*13

もちろん、IT系技能は競技プログラミングだけではありませんし、競技プログラミングだけで計れるものではありません。ですが、競技プログラミングに必要な、基本的な処理に関する実装力は、何を組むにしても必要であり、プログラマ足切りには十分使えます。また、基本的なアルゴリズムやデータ構造の知識というものは、プログラマにおける基礎体力のようなものであり、ここがなければ応用が利かない部分もあるため、競技プログラミングの能力が計れる価値は大きいです。*14

ここで、AtCoderは、採用試験用のコンテストを毎週開催し、プログラマにとってのSPIのようなものにしました。*15 各個人のコンテストにおける最大パフォーマンスをその人の競技プログラミング能力と見做し、足切りや優先的な採用を行えるようにしたわけです。プログラマ版SPIだと考えて貰えれば問題ありません。他の職種におけるSPIと同程度、いやそれ以上には効果があるのではないかと思っています。

社会人への研修

AtCoderで育てた競技プログラマが会社に入った後も、AtCoderはサポートを続けます。更なるアルゴリズム力の向上のために、企業向け研修プログラムを提供します。*16

競技プログラミングは、アルゴリズムやデータ構造を実践的に学ぶのに非常に有効であり*17、研修などにも使うことが可能です。

なお、企業には有料で提供しておりますが、同様のメニューは、教育機関には無償で提供しております。*18

今後の展望

さて、これらの事業を組み合わせて売上10億円を達成したAtCoderですが*19、目指すところは、さらなる発展です。

現在、AtCoderでコンテストを開いてくれている多くの企業*20は、AtCoderから輩出する競技プログラマの受け皿になっています*21ですが、企業数がまだまだ足りません。

優秀な競技プログラマは、日に日に増えています。ですが、その競技プログラマを使いこなせるような企業が、まだまだ日本には多くありません。このままだと、これらの学生は、海外の企業などに流れて行ってしまいます。

IT業界は人材不足だのなんだの言われていますが、違うと思います。優秀な人材を評価する企業の方が不足しているんです。まともな待遇で、エンジニアの能力を正しく評価し、楽しく仕事が出来る環境を作る。そういった努力をしている企業が少なすぎると思います。我々は、優秀な人材をいくらでも送り出す準備があります。*22

競技プログラマの事を理解し、高く評価してくれる。そんな企業を、AtCoderはお待ちしています。

 

おまけ:宣伝

ってことでコンテストの宣伝です。

正直、今日初めて競技プログラミングを知った、って人には、かなり厳しいコンテストだと思います。初めてで上位に来れる程、甘い世界ではありません。ですが、来年の本戦出場を目指して、今年は様子見参加、みたいなことをしてくれると嬉しいです。競技プログラミングの楽しい世界が待ってます。

dwango.co.jp

上でも紹介した、ドワンゴさんのコンテストです。コンテストで優秀なら、面接とか色々スキップして最終面接からスタート、みたいなぶっ飛んだコンテストです。

今週末の土曜日、1/23の午後8時から、2時間のコンテストです。ぜひぜひ出てみてください。

 

 

www.youtube.com

https://japan.discovery.com/ddpc/

半導体メーカーである株式会社DISCOと、おなじみディスカバリーチャンネルのコンテストです。合計100人を本選に招待する大規模コンテストです。

来週末の土曜日、1/30の午後9時から、1時間半のコンテストです。こちらもぜひぜひ出てみてください。

*1:こんな感じ

*2:要するにIT系のコンテスト

*3:厳密には、大会の実況の出演料とかも貰っていますが、誤差の範囲です。

*4:社長になって上手くいったらお金たくさん稼げるかな、みたいな考えが無かったわけではないです。まだそんなに稼げてないです。おかねほしい

*5:実際のところ、競技プログラミングが業務に役立つか、というのは、Twitterで月1回程度話題になるくらい、論争が起こる話題であり、こう言い切るのは難しいです。が、IT系のいくつかの企業では、競技プログラマの積極的な採用を行っています。

*6:10億行ったら嬉しいなあ。行ってないです。

*7:競技プログラミングだけでIT系スキルの全てを計れるわけではないので、もちろん競技プログラミングは全く興味ないけど、IT系に進んで幸せになれる人、というのは多くいます。

*8:現時点では、コンテストの提供およびその解説だけに留めているので、最初に、ある程度プログラミングの技能があることが求められ、教材としてはまだ不親切な部分も多くあります。

*9:勉強パートがまだまだです。蟻本を読んでください。

*10:まだ

*11:もちろん、コンテスト開催目的は人材募集だけではないので、それ以外の形もあります。例えば「IT業界全体の活性化」など。

*12:別にAtCoderに限った話ではなく、GoogleGoogle Code Jamを開いているし、Facebookも同様にコンテストを開いているので、そっちに行っても多分幸せになれます。要するにエンジニアを評価する土壌が整ってれば大体良くって、なおかつ競技プログラミングと相性が良い企業。各個人の相性とかの細かい話に関してはちょっとわかんないです。

*13:ごくごく一部の企業なので、まだあんまり行われていません。興味がある方はstaffあっとatcoder.jpまで

*14:まだまだ一般論とは呼べず、ただの自論です。反対意見もたくさんあるかなぁ、と思います。どの業界でどんな知識が必要と認識されているか、というのは、僕個人としても収集したいところであり、色んな意見が貰えると嬉しいなぁ、と思っています。はてぶとかTwitterとかで。全部見ます。

*15:残念ながら妄想段階です。まだやってません。

*16:まだ何もしてません。興味がある企業は声掛けてください

*17:そうだと信じてるけどそう思ってない人もいそう

*18:予定です。すでに夏休みの宿題とか、学校の課題に使ってる大学はあるみたいですが。

*19:何度も書くけど行ってないです

*20:ほんとは2015年度で5社しかいない

*21:AtCoderから輩出する、というのは言い過ぎで、今いる多くのプログラマは、海外のコンテストサイトで鍛えられてきた人がかなり多いです。AtCoderが育てた人材が出てくるのはこれからです。たのしみ

*22:煽り過ぎだという自覚もあります。